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44歳男性のコロナ後遺症の改善例

・コロナ罹患と当院への受診

1年前、新型コロナウイルスに罹患しました。コロナ感染後、様々な後遺症に悩まされる日々が続きましたが、感染から1年後に当院を受診し、漢方薬を用いた治療を開始しました。ここでは、その後の経過について詳しくご紹介します。

・治療開始からの経過
〈1ヶ月目〉喉のつまり感・咳と痰の改善
 治療開始後、最初に改善が見られたのは喉のつまり感、咳、痰でした。これらの症状は朝方に特に顕著でしたが、服薬開始してから、ほぼ1ヶ月でこれらの症状は消失しました。


〈2ヶ月目〉頭皮脱毛と腸内ガス増の改善
 次に改善が見られたのは、頭皮の脱毛と腸内のガスの増加でした。コロナ後遺症の一環として、多くの患者が経験するこれらの症状も、服薬開始から2ヶ月でほぼ完全に改善しました。同様に、食事量の減少もこの時期に回復し、正常な食事量に戻りました。


〈3ヶ月目〉倦怠感の解消
 3ヶ月が経過する頃には、最も厄介だった倦怠感もほぼ消失しました。日常生活に支障をきたすほどの疲労感がなくなり、患者は日々の活動に積極的に取り組むことができるようになりました。


〈4〜5ヶ月目〉全体的な体調の向上
 4ヶ月目に入ると、「一日中体調が良好に感じられる日」が増えてきました。5ヶ月目頃には、ほぼ毎日体調が良好と感じられるようになり、以前のような不調の日々は過去のものとなりました。


〈5ヶ月目以降〉想起力の改善とスポーツへの意欲
 5ヶ月が経過した頃には、想起力 (過去の出来事や言葉を思い出す能力) の低下も改善の兆しを見せ始めました。そして5ヶ月半ば頃からは、スポーツをしたいという気持ちが芽生えてきました。

・まとめ
コロナ後遺症の個々の症状が生じる生体内の病態を考え、それに合う漢方薬を選定しました。服薬開始から、徐々に、患者は健康を取り戻し、日常生活における質を大幅に向上させることができました。

後遺症に苦しむ多くの方々にとって、この事例が少しでも参考になりましたら幸いです。

新型コロナ後遺症の理解と治療へのアプローチ

新型コロナウイルスに感染した後、一部の方々が経験する様々な長期的な症状、いわゆる「コロナ後遺症」についてお話しします。これらの症状は、ウイルス感染後もなかなか改善されず、日常生活に影響を与えることがあります。私たち医療従事者は、患者様一人ひとりが直面している困難を理解し、それに対処する方法を見つけ出すために、日々研究を重ねています。

体内の熱分布異常と漢方薬の役割

コロナ後遺症の治療に関して、これまでに様々な患者様を診察してきた経験から、特に「体内の熱の分布の異常」という症状が顕著であることがわかっています。この状態は、「上部の体温が高く、下部が冷える」という状態を指し、このような不均衡を改善するために、特定の漢方薬が有効であることが多くの患者様で確認されています。これらの漢方薬を用いることで、多くの方々が症状の改善を実感されています。

三焦経の機能異常とその影響

体内の熱分布が不均一になる原因としては、「三焦」という特定の経絡(体内を流れるエネルギーの経路)の機能異常が考えられます。三焦経は、体内の熱を調節する重要な役割を担っていますが、ここに問題が生じると、体の様々な部位で不調が生じ、さまざまな症状を引き起こす可能性があります。この経絡の異常は、触診によって確認されることがあり、三焦経の特定の点が硬くなっていることが見られます。

細胞の健康とコロナ後遺症の改善

しかしながら、なぜ三焦経の機能異常が起こるのかについては、現在のところ明確な理解に至っていません。体内の熱の問題は、細胞レベルでの健康状態とも深く関連しています。私たちの身体は無数の細胞から構成されており、それぞれの細胞が適切に機能することが全体の健康につながります。細胞の周囲、つまり細胞が存在する「場」の健康を保つことが、結果的に細胞自体の機能を正常化させ、コロナ後遺症に伴うさまざまな症状の改善に繋がると考えています。

コロナ後遺症に対するアプローチは、まだ完全には理解されておらず、患者様によって症状やその重さが異なるため、個々の状態に合わせた治療計画の策定が重要です。私たちは、患者様一人ひとりの症状に寄り添い、最適な治療法を提供することを目指しています。

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